サンスイの音色、OBが守る 修理依頼絶えぬ埼玉の工場
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 Published On Feb 6, 2013

音質の良さからオーディオファンの間で高い評価を得ている高級アンプ「サンスイ」。製造元の山水電気は昨年4月に経営破綻したが、OB3人がいまも細々と修理工場の営業を続けている。全国各地から「名器」の修理依頼が届く工場「アクアオーディオラボ」を訪ねた。

入間市下藤沢。住宅街の一角に建つプレハブ小屋には、はんだごての焦げた臭いが漂っていた。床には修理を待つアンプが10台ほど並んでいる。「どんな故障でも何とか直してみせるよ」。奥の作業台に座る横手正久さんが笑いながら話す。
山水電気は1944年に東京・代々木で創業。54年からオーディオアンプの生産を始め、70年代のオーディオブームを先導した。横手さんは赤坂の高級キャバレー「ミカド」の音響設備を手がけ、技師長としていくつもの高級アンプを世に出した「名物」サンスイマン。業界誌に「アンプに人生をかけた男」と紹介されたこともある。
この日の仕事は約40年前に発売された「AU9500」の修理。大卒銀行員の初任給が5万2千円の時代に、12万3千円の値を付けた高級品だ。「サンスイのアンプは自分で作ったんだから、配線まで全部頭に入っているよ」。黒く焦げたトランジスタを交換、回路基板をブラシで磨いた。

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